飛んでも良い天気とは

自家用操縦士の免許しか持っていない場合は、有視界飛行方式(VFR)で飛ぶことが必要です。
簡単にいえば、顕著な地上目標物を常に視認しながら(自機の位置標定)、かつ雲から離れて飛行
できる気象状態でなければ、飛んではいけないということです。(有視界気象状態)

悪天候の中を計器のみに頼って飛行するには、「計器飛行証明」という資格をとらなければなりま
せん。

実際に有視界飛行方式で飛行する場合には、地文航法と推測航法を組み合わせて行います。

   地文航法  機上から地上物標(地形・山・川・湖沼・橋・市街・鉄道・高速道路・
            著名な施設など)を航空図と照らし合わせて、自機の位置を確認しな
            がら飛行する航法

   推測航法  地文航法と違い地上物標に一切頼らず、羅針盤、速度計を基礎に
            偏流角を測定し、風向・風力を求め、航路に対する針路ならびに対地
            速度を推測し、目標地点に至る航法。

地文航法は、常に地上の目標のみを頼りに飛行しますので、天候の急変などには弱い面を持ってい
ます。
推測航法は、地上目標には頼らない方法で、飛行計画書(フライトプラン)はこの航法で作成します。
実際の飛行も飛行計画書に基づいて行います。

飛行計画書に基づいて飛行中も、常に地上目標も確認して、もしズレが確認できた場合には、飛行
針路に修正を加えていきます。天候の急変などで地上目標が視認できなくなった場合でも、短時間
であれば対応できます。


有視界飛行方式(VFR
以下は、飛行高度が3,000m未満の場合を説明します。細部の説明は省略しています。

 (1) 飛行視程
           飛行視程  管制区、管制圏内  5,000m以上
                   非管制空域      1,500m以上

     管制区  空港からすり鉢状に上空に拡がっています。高度3,000m以上はすべて管制区
            になります。
     管制圏  空港を中心に半径9km(5NM)の円筒形です。

     上記以外の空域が、非管制空域になります。

 (2) 雲からの距離

      雲から十分離れて飛行することが義務づけられています。下図の各距離が最少距離です。
      計器飛行方式で飛んでいる飛行機が、あなたの近くの雲から突然飛び出してきたらどうし
      ます? なるべく雲には近づかないようにしましょう。




      有視界飛行方式では、絶対に雲に入ってはいけません。
      実地試験の場合は、雲に入ってしまった時点で試験は終了します。

 (3) 計器航法
    十分に注意して飛行していても、天候の急変などでやむを得ず雲の上を飛行せざるを得
    ない事態が発生するかもしれません。
    その様な場合の対策として有視界飛行方式の場合でも、次の範囲内で計器のみにより
    飛行することが許されています。

        計器航法
           航空機の位置及び針路の測定を計器のみに依存して行う飛行。
                 110km以内  30分以内 (どちらか短い方)

    前方の晴れた空域に30分以内に確実に到達できる場合を除いて、引き返す時間を考慮
    すると10分間程度飛行しても目処がつかなければ、その時点で引き返えす必要があります。

   「我々アマチュア(自家用操縦士)の場合は、絶対に無理をしないこと、自分の技量の70%を
   越えるような飛行をしないこと。」と、大先輩が云っていました。

   天気が悪いときは飛ばないことです。好天の時に空の散歩を楽しみましょう。
   その方が絶対に楽しいです。


    航法の説明は、鳳文書林出版販売(株)の航空用語辞典を参考にしました。