実 地 試 験


         実地試験について概要を説明しています。あくまでも参考用です。

    操縦免許を取得するためには、次の3つをクリヤーすることが必要ですが、なんといっても最大の
    難関は実地試験です。
    実地試験の受験前に、学科試験と無線免許取得をクリヤーしておく必要があります。
         実地試験、学科試験、無線免許取得

 (1) 申請先
     実地試験申請先  東京航空局保安部運用課検査乗員係
     実地試験申請用紙一式(第19号様式)   360円+税
     技能証明申請書(自家用操縦士 実地試験)
     納付書(46,400円相当の収入印紙を貼付)


 (2) 実地試験(口頭試問・実技審査)
   a 口頭試問  試験官が実地試験に必要な知識を地上で受験者に質問して、その回答内容に
           よって技能の一部を判定します。
           ここで不合格になると、実技審査には進めません。

   b 実技審査 
    ア 空中操作審査
      地上操作
        出発前機体検査
        地上操作(エンジン始動、計器類・無線機類チェック、操縦系統チェック等)

      AIR WORK(空中操作)
        低速によるパターン飛行(フラップ使用、フラップ不使用の2種類)
       (失速回復操作 3種類)
        デパーチャー・ストール
        アプローチ・ターニング・ストール
        ランディング・ストール

      BIF(基本計器飛行)
        フード(目隠し。計器類は見えるが機外は見えない)をかぶり、計器類のみを使用して
        各種の飛行をします。
       パターン飛行
         決められているパターン(直進・上昇・降下・旋回)を飛行します。
       ADF、VOR(無線標識)を使った航法
         無線標識を受信して自機の位置(無線標識との相対位置)を把握して、指示された
         地点に機体を誘導します。(これがなかなか難しい。これで失敗した人もいます)
       レーダー誘導による航法
         実際は、レーダー誘導員に代わり試験官が口頭で指示を出します。
       異常姿勢からの回復
         受験者が目をつぶり、試験官が機体の姿勢を異常にした後、受験者が目を開いて直ちに
         回復操作をして、機体姿勢を平常に戻します。

      TRAFFIC & LANDING(トラフィックパターン飛行&着陸)
        空港のトラフィックパターンを飛行し、各種の条件で着陸を行います。
        通常着陸
          通常飛行経路・フラップ使用。
        ゴー・アラウンド
          着陸直前で着陸を中止して飛行を継続する。
        短距離着陸
          滑走路の近くに障害物がある前提で、通常より大きな降下角度で進入し、障害物を
          通過後に通常着陸する。
        スリップ操作着陸(訓練は実施するが、実技審査からは除外)
          通常より高い高度から、機体をスリップさせながら、強引に高度を下げて着陸する。
        ノーフラップ着陸(訓練は実施するが、実技審査からは除外)
          フラップの故障を想定して、フラップを使用せずに着陸する。
          滑走路への進入速度が大きいのと、機体の抵抗が少ないため、なかなか着地しない。

    イ 航法審査
      受験生は、飛行計画を作成して、試験官に提出します。
      正確でかつ安全な飛行計画の作成も、当然航法審査の一部です。
      その後、天候を確認して飛行計画に基づいて実際に飛行します。
      経路上のどこかで、試験官から経由地の変更が指示されます。(悪天候などで、目的地を変更
      する場合等を想定しています)フライトプランを修正して、指示された経由地に向かいます。
      途中で、エンジン故障を想定した緊急着陸操作(実際には着陸しない)の試験があります。
      大きな失敗をすると、そこから出発空港に戻されることもあるそうです。

   c 無線交信
     管制塔などとの無線交信も、審査の対象になります。空港が混んでいるときは、管制塔と航空機
     間でひっきりなしに交信がかわされるので、初心者である受験者には大変な負担になります。
     できるならば、空港が混んでいないときに試験を受けたいものですね。

 (3) 口頭試問、実技審査の終了後、試験官から講評があり、その場で「合格・不合格」が言い渡さ
    れます。
    例外もありますが、航法審査にまでたどり着けば、試験に合格する確率は高いようです。
    もし、不合格になった場合は、不合格の原因となった部分の再教育計画を提出し、再教育を実施後
    に改めて実地試験の申請をします。

     
 (4) 日頃の飛行訓練も、上記の審査内容と同じものを行います。
    初めに空中操作を練習して、BIF(基本計器飛行)、航法訓練へとすすみます。
    最初は、着陸操作が上手にできませんが、訓練を続けているとなんとか独力で着陸できるように
    なるものです。そして、待望の単独飛行(ソロフライト)にすすむことになります。
    ここまでくれば、あとは実地試験にむかってまっしぐらです。

   (註)
    LOW WORK(低空での空中操作)は、2014年4月より実技審査から除外されました。
    従来行っていた訓練も行いませんので、記載を削除しました。